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6話 七夕の日

            「さ~さ~のはさ~らさら~♪」

「今日は朝からご機嫌ね日向」

日向「カレンダーの数やっと消えたんだもん」

「ふふっ日向は七夕が大好きだものね」

日向「お母さんは嫌いなの?」

                  「そんなことないわ」

「今日は1年で一番素敵な日だもの」

「お願いは何書いたの?」

日向「織姫様と彦星様が今年も会えますようにって書いたの」

「あらあら。いつもと同じ」

7/7日

この国では七夕という日はない

小さな頃は楽しみにしていたけれど、日本を離れシム国で過ごすのが長い私には

ただ過行く普通の日になってしまった。

日向「午後からはどこに行こうかな」

私は

つまらない大人になったとつくづく思う。

ディラン「手続きはこれで終わりだ」

ディラン「休みの日に悪いな」

日向「いえ・・・」

ディラン「どうした?」

日向「まさか給与頂けるとと思ってなくて・・・(しかも1日の撮影で私の1か月分の給料分だと!?)

ディラン「仕事だからな無償では頼まない」

日向(今日は話しやすいなあ。今なら聞けるかな)

日向「あのっ!どうして私を選んでくれたんですか?」

ディラン「ジルのパーティーの時アンタを見て思い浮かんだ」

日向「思い浮かぶ?」

ディラン「そのドレス姿のアンタを見てみたい」

日向「嬉しいのですが、本当に私でいいのかなっていうのがあって。綺麗な人は沢山いるのに・・・」

ディラン「俺は見た目だけではモデルは選ばない」

     日向「そうですか・・・」

ディラン「俺の作るドレスで女性たちに幸せを提供したいからこの仕事をしている。ドレスを着た時の笑顔を見るのが最高の幸せなんだ。直接アンタのその姿を見たいと思った」

日向「あ・・・ありがとうございます」

ディラン「急に話を進めてしまって悪かった。そういう理由だ」

     日向「いえ。納得しました。こんなに素敵な仕事頂けるなんてもうないと思うので嬉しいです」

ディラン「良かった」

本気でそう思ってるのは凄く伝わってくる

けど

ディラン「撮影は1か月後。次はドレスが出来上がったら連絡する」

日向「・・・はい」

この人はどこを見ているのか気になった

「ん・・・?」

「日向?」

日向「イアン君!?」

イアン「本を読んでる日向を見るのは久しぶりだ」

              イアン「よくここに来るのか?」

日向「毎週ではないけどよく来るよ。図書館で本を読む時間って凄く落ち着くから」

              イアン「そうか。そういえば高校の時も毎日図書館に入りびたっていたな」

日向「懐かしいなあ~。シム州高校の図書館大好きだった」

              イアン「学校生活の半分はあそこに居たんじゃないか?」

日向「ふふっ半分まではいかないけどね」

日向「イアン君はどうしてここに?」

          イアン「たまに本を読むのもいいかなと思ってな。あれから暇で休みの日は時間持て余してるから」

日向「あれから・・・って・・・そっか・・・(元カノさんと休みの日いつも一緒だったもんね)

          イアン「休みの日は何をすればいいのかわからなくてな」

イアン「それを気にしてかマイクやリリィが遊びに誘ってくれたが」

マイク「ぶーーーー!折角振られたんだから元カノに未練たらたらのバラードを悲しげに歌ってよ!」

リリィ「ぶははっそりゃいいな!30分イアン失恋バラードスペシャル行こうぜ」

イアン「アイツらからは悪意しか感じない」

日向(あの二人はッ!)

日向「イアン君の気持ち分かるよ私もそうだったから。といっても私は何年も放置されて好きとかそういう感情が無くなっていたけれど・・・。それでも別れた時は心の何処かが空っぽになって何をすれば良いか分からなくなった」

イアン「・・・日向」

日向「そんな湿った顔しないでよ。昔の話なんだから」

イアン「いや、悪い。俺はアイツと日向が付き合うのはよく思っていなかったから、正直、あの時は安心したんだ」

日向「そんなこと考えてたの?(笑)」

イアン「俺だけじゃない。皆も心配していたし、リリィはお前と一条を別れさせる計画立ててたからな。付き合い始めた当時から」

日向「その計画もっと早く実行して欲しかったwwww」

                     日向「そうそう!別れたとき一番にイアン君が遊びに誘ってくれて

元気づけてくれたの覚えてるよ」

イアン「そんなこともあったな」

                     日向「じゃあ、今日はどうかな?」

イアン「ん?」

                     日向「遊びますか!」

イアン「ははっ。そうだなどこに行く?」

                     日向「遊ぶと言っても体に良き遊びとリラックスを」

イアン「想像つかないんだが・・・」

Spa

イアン「なるほど。確かに体に良いな(笑)」

日向「イアン君好きそうだなあ~と思って」

イアン「そうだな。体動かしていると気分がいい」

日向「筋肉は裏切らない!」

イアン「お前は筋肉なさそうだけどな」

日向「いや多少・・・は・・・ごっほごっほ」

イアン「大丈夫かw」

日向「おおおおおおお!!!誰もいない!貸し切りみたい!!!」

イアン「最高だな」

日向「のんびり泳げるよ~いつも人が沢山いるんだけどな」

イアン「平日の中途半端な時間だからかもな」

日向「そうなのかな~」

イアン「でもまあ・・・」

イアン「のんびりはさせないけどな!」

日向「うきゃーーーーーーっ!!!!!」

日向「宣戦布告か!受けて立とう!」

イアン「うわっ!なかなかやるな・・・!じゃあ次はそこの台からどっちが高く飛べるかやろう」

日向「絶対私負けるよ!イアン君確か飛びながらバク宙出来るの知ってるんだからね!」

イアン「ばれたか・・・」

日向「ここのスパはどお? 」

イアン「近寄りがたくて行くことないと思ってたが内容的にジムとあまり変わらないな?」

日向「ふふっ。これからが本番だよ?」

イアン「他に何かあるのか?」

日向「日頃の疲れを取らないと!」

イアン「なる・・・ほど・・・な」

日向「最高でしょ?」

イアン「・・・・・・・・」

日向「イアン君?」

                マッサージ師「お姉さんお隣の彼寝てるよ(笑)」

日向「まじですかwww」

日向「ふふふっまさか寝ちゃうんなんて」

イアン「あんなに気持ち良いと思わなかった」

日向「日頃の疲れはとれたかな?」

イアン「ああ。気分も凄くいい」

日向「よかった。まだ温泉やサウナ、手足のマッサージもあるんだよ。今度また行こうね」

イアン「ふふ。そうだなありがとう」

日向「こちらこそ今日付き合ってくれてありがとうね」

イアン「・・・やっぱりお前といると落ち着くな」

日向「初めて言われた」

イアン「初めて言ったからな」

日向「ほうほう(笑)」

イアン「高校の頃からそう思ってたよ。まあ、周りが騒がしいからなんだろうが」

日向「大体、誰と誰の事言ってるか想像つくんだけど・・・w」

イアン「それはその辺で(笑)そういえば今日は図書館以外にどこか行っていたのか?」

日向「あ、そうそう。私の職場の近くにブライダルショップあるの知ってる?」

イアン「ああ。同僚がそこに頼んで式を挙げてたな。評判は良いみたいだが」

日向「そこの裏で作ってるウェディングドレスのモデルお願いされて今日契約してきたの」

イアン「んっごほごほ・・・それ本当?」

日向「信じられないって思ってるw」

          日向「私も信じられないんだけどね。デザイナーさんが私を見てデザイン思いついたとかで」

イアン「凄いな・・・良い話だと思う」

          日向「本当にそう思う?」

イアン「ああ。俺は応援するよ」

          日向「一度きりの撮影なんだけどね」

イアン「それでもだ」

        イアン「そうか・・・あの日向がか・・・」

日向「どの日向?w」

        イアン「初めて会ったときは、裸足で寮の中歩いて、子供っぽくて、同い年には見えなかった日向が」

日向「そんな風に思ってたんだ!!?」

        イアン「大人になったなって思って」

日向「久々に会った親戚のおじさんみたいなこと言わないでw」

白雪「お兄ちゃんお兄ちゃんっ!外にカッコイイ男の人が・・・!」

藤堂「あ!?」

藤堂「いいか白雪。男は顔だけで選ぶな。それと付き合う前には必ず俺に合わせろ」

白雪「・・・何言ってるのお兄ちゃん」

               藤堂「変な奴だったら二度とお前に近づかないようにぶっ飛ばすから」

白雪(出来ても絶対お兄ちゃんには紹介しないでおこう)

白雪「違うそうじゃなくって・・・え・・・えっ・・・きゃーーー///」

               藤堂「落ち着け」

白雪「お兄ちゃんあれ・・それ・・・はわわわわ」

                        藤堂「ったく・・・なんなんだ?」

白雪「ほああ・・・日向さんの彼氏さんかな?凄くお似合いだね」

藤堂「へー。真面目そうだな。しかもイケメンか。日向ちゃんには勿体ないな(笑)」

                              白雪「お兄ちゃん失礼だよ!うわあ素敵」

藤堂(ん?・・・あの人どこかで見たことがあるような)

イアン「今日は本当に楽しかった」

             日向「私も凄く楽しかった!ありがと」

ぎゅうっ

             日向「イアン君とハグするのはあの時ぶりかな~」

イアン「そうだな。じゃあ、俺は帰るよ」

             日向「ん。気を付けて帰ってね」

この日に一人で過ごさなかった日は何年ぶりだろう。

家族以外知らない日で

特別な日

今まではただの普通の日だけれど

だけど今日はイアン君と一緒にいて思った

私はきっとこの日には誰かと一緒に・・・

日向「え・・・!?」

[Happy Birthday]

日向「いったい誰が・・・家族以外に教えたことないのに・・・」

日向「イアン君?は・・・一緒にいたからないし・・・んん・・・名前書いてないなあ。この手書きの字だけ」

日向「この字・・・は・・・どこかで・・・」

日向「んーーーーー」

「字達筆で綺麗だね」

「そう?」

「私もこんなにササっと綺麗な字書けたらなぁ~いいなぁ~」

日向「あ!!!!!!・・・えっ!?・・・どうして・・・あの人が知ってるの・・・」

プルルルルルル・・・・

「はい」

日向「あの・・・家の前にお花置いてくれたよね」

「よくわかったね」

日向「見たことある字だったから」

「迷惑だった?」

日向「そうじゃなくって、家族以外に祝ってもらったことないし教えたことなかったから」

日向「どうして私の誕生日知ってるの?それにピンクの薔薇」

「秘密。その感じだと余計な事してしまったみたいだ(笑)」

日向「違うの。ちょっと驚いただけで・・・ありがとうね。ピンクの薔薇好きなの」

「クスッ。知ってた。誕生日おめでとう」

予想が出来ないことが・・・

日向「はじめて家族以外からプレゼント貰ってしまった」

予想できない人から

どうして私がピンクの薔薇好きなの知っているんだろう?

あの人には一度も花の事や誕生日も話したことがない

でも何だろう

日向「嬉しいなあ・・・」

 

こっちもかなり久しぶりの更新です。半年ぶりくらいでしょうか?(適当)

次に繋げる話の回だったので去年の9月から躓いてました。

今年は出来るだけ話進めたいです。

今回放置していたスパを使った話でした。

あのマッサージしているところを見るだけでリラックスできて眠くなります。

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