top of page

3話 前触れ

                   [シム州高校第5寮]

                         日向「入口から結構広いね」

          海「そうか?この高校の寮の中ではそっちの所の次に小さいぞ」

                日向「これで小さいとか・・・」

                                  海「一番大きな所は城みたいな豪邸だからな」

                日向「豪邸!!?」

                                  海「何でか知らんが世界有数の金持ちや貴族とかもいるからな。警備とかもいて凄かったw」

                日向「うわあ凄いな・・・そっか・・・それであの人・・・」

                                  海「ん?」

                日向「なんでもない」

「あれ・・・海。女連れて来るなんて珍しいね」

              海「俺の妹」

                  「あ~!いつも海が言ってる妹さんね!こんにちわ」

日向「は、はじめまして!こんにちわ!兄がお世話になっています」

「礼儀正しい子だね。アイツとは大違いだなあ」

                                      日向「?」

                          海「日向。上に行くぞ」

                                      日向「あ・・・うん」

「またね~」

日向「中も結構広い」

                    海「これくらいあると余すよな。まあ、ゆっくりしていけよ」

日向「お兄ちゃん中々帰って来ないから、お母さん達心配していたよ」

                        海「帰るのにも金が掛かるからな。親に負担も掛けたくないし」

日向「そっか・・・そうだよね。私もお兄ちゃんを見習ってバイト始めようかな」

                        海「いいんだよ。お前は親に甘えとけ」

日向「そんなわけにはいかないよ!それに年に1回は帰りたいもん」

                                   日向「そういえば相変わらずサッカーしてるの?」

            海「冬以外はな」

                                  日向「冬?なんで冬?」

            海「こっちの部活はシーズンごとに変えられんだよ。あっちと違って掛け持ちもできるしな」

                                  日向「そうなんだ。なんか変わってるね」

            海「こっちから見ると日本も変わってるだろ。ここでは色々経験できることは良いことだと思われてるからな。日向は部活入るのか?」

                                日向「料理系の部活とかないかなあ?」

   海「詳しくはわからないけど、放課後食堂で甘いもの作ってる集団はいるな」

                                日向「甘いもの・・・」

   海「気になるなら放課後覗いて来れば?」

                                日向「そうだね。凄く気になるから見てみるね」

   海「しかし、今度からいつでも日向に会えるのは嬉しいな。お兄ちゃん寂しかったぞ」

                                       日向「いつでも遊びに来るよ!」

   海「そう言って友達出来たらお兄ちゃんの事放置つるつもりだろ!」

                                       日向「そんなことないってw」

 パタンッ 

                           「海」

            海「聖。どうした?」

                    日向「?」

                        聖「だれ?そいつ」

                          海「日向だよ」

                                   聖「ああ・・・あのちっこいの」

       日向「?はじめまして」

                                   聖「・・・・・・は?」

       日向(何だろ。この人と関わってはいけない気がする)

                                   聖「来るの聞いてないんだけど」

                          海「妹と会うのにいちいち言わないだろ」

                                   聖「・・・チッ」

       日向(舌打ち・・・!!?)

       日向「あの・・・ちょっとトイレに行ってきます」

                          海「トイレはリビングの反対側な」

       日向「うん」

 

               日向(あの人が来てから凄く居ずらかった・・・嫌われたかな・・・)

                     日向「・・・あ」

日向(アノ人は・・・)

日向(今日図書室前の通路でぶつかった人)

日向(まあいいや。そんなことよりトイレ)

        「ねえ」

                               日向「!!」

                          「少しいいかな?」

 

日向「あ、あのッ・・・」

日向「さっきは・・・学校ではごめんなさい。・・・け、怪我とかしていませんか?」

「・・・・・・・・・・」

日向(訴えられたりとかしないよね・・・)

             「いや。僕の方こそごめんね」

日向「え・・・・・・!?」

             「女性を転ばせたのにあんな態度をとってしまって・・・少し気になっていたんだ」

           日向「そんな!よそ見していた私が悪いので謝らないでください。本当にごめんなさい」

                                「フフッ。君こそもう謝らなくてもいいよ。そんなことより何故君がここに居るの?ここは今は3年しかいないはずだけど」

               日向「あ、兄がいて挨拶に来たの」

                                「僕もだよ」

        日向「アナタも?」

                                        「久々に兄の顔を見たくて」

        日向「そうなんだ!一緒ですね」

                                        「・・・一緒?フフッ。そうだね一緒」

           「ねぇ。そんなに硬くならないで?同じクラスなんだし、敬語も使わないでくれた方が嬉しいなあ」

日向(同じクラス?)でも・・・その・・・身分的な面でも・・・」

           「フフッ。身分って(笑)こうして会ったのも何かの縁だし仲良くしよう?」

日向「う・・・うん・・・」

         景都「僕は一条景都。君は?」

             日向「私は斑鳩日向」

                                 景都「日向さんか。改めてよろしくね」

日向(なんかさっきとイメージが違うなあ。凄く優しい人っぽい。・・・でもなんか)

日向(なんだろう・・・もやもやする・・・)

              日向「うん。よろしくね」

海「日向!!」

「戻って来ないと思ったらこんな所に居たのか!」

          日向「お兄ちゃん!」

                                        景都「・・・・・・・・・・」

                  日向「ごめんね。同級生の子がいたから話してたの」

                                  海「・・・知り合いなのか?」

                  日向「今日学校散策している時にぶつかっちゃって」

                                  海「そうか」

                               日向「あ、私はそろそろ寮に帰るね」

        海「もう少し居ろよ久々なんだから」

                               日向「寮も近いんだし、いつでも会えるでしょ?また遊びに来るよ。じゃあね♪」

        海「で。なんでお前がここにいるんだ?」

                              景都「酷いなあ。あからさまに嫌な顔しないでください」

       景都「僕も彼女みたいに、そこの無能な兄に会いに来ただけですよ」

「お前が俺の妹みたいにそんな可愛い事するわけがないだろう」

       景都「貴方には僕がどう映っているのですか?でもそうだなあ・・・」

                             景都「僕は貴方達を許していない」

                海「・・・・・・・・・・!!」

景都「久しぶりにアホ面も拝めましたし、僕もこの辺で失礼しますね」

 

(リリィ達カフェ行くって行ってたけどもう帰ってきてるかな)

        日向「ただいま~・・・!!?あ・・・(まさかいるとは!)えっと・・・イアン君・・・(だっけ?)」

                                        イアン「・・・おかえり」

   日向「え・・・あ・・・血が!どうしたの!?」

                イアン「転んだ」

日向「盛大に転んだんだね・・・大丈夫?」

                イアン「もう血もおさまったから何とも無いよ」

「これどうする?」

「知らねーよ!俺に聞くなブス!なんなんだよあの糞野郎!」

「女の子にそんなこと言っちゃいけないよ?しかし・・・これまた・・・困ったね」

日向(リビングからリリィ達の声がする)

                     ティクス「ったく・・・」

                              日向「・・・あ」

                              ティクス「帰ってたのかブス2号」

日向「え・・・ええええええ!!?」

                              ティクス「うるせーよ!テメェ自分の顔鏡で見たことねぇのか?相当ブスだぞ!」

日向「いや・・・そうじゃなくて、その・・・あの・・・血!」

                              ティクス「血なんて勝手に出てくるもんなんだよ!」

日向「いや・・・出てこないよ!」

                              ティクス「テメーらなんて月一で来んだろうが!!!」

日向「さ、ささささ・・・最ッ低!!!!!」

                               日向「リリィ・・・・ってええええええええええ!!?」

                      リリィ「どうした?マスオさんみたいな声出して」

                               日向「どうしたの!?何かあったの?」

           リリィ「ああ・・・まあ・・・。ちょっと厄介な事があってな」

日向「イアン君もティクス君も顔血だらけだったけど・・・・」

マイク「・・・・・・・・・・」

                               リリィ「後からゆっくり話すから、とりあえず片付けるの手伝ってくれる?」

                  日向「う・・・うん・・・」

 

景都の背景に羊?山羊?の群れが移っててずっと気になってます。

あそこで暮らしてハイジみたいな暮らしをしてみたい!

そしてラクレットをパンにかけて食べてみたいです。

Visitors

bottom of page